民報新聞46回2月日号
「放射線に負けない健康レシピ」「みそ」
30年以上も前になりますが、始めて味噌つくりに挑戦した時のことです。ご近所の飲み仲間4人で、同じ大豆、米、塩、麹を用意して一緒に作りました。1年過ぎてから、作った味噌を持ち寄り試食してびっくり。まるで味が違っていました。そして、4人とも「自分の味噌が一番美味しい」と思い、譲りませんでした。以来、味噌つくりを続けてきました。「もうやめよう」と思ったことも何度かありましたが、家族に「家の味噌しかうまくない」「家の味噌以外は食べられない」と言われ、なんとか続けてきました。味噌汁はもちろん、味噌にぎり、味噌田楽も絶品です。
一口アドバイス
1986年、日本がん学会で、当時国立がんセンター研究所の平山(ひらやま)雄(たけし)所長により、16年間にわたる6つの都道府県に住む40歳以上の男女26万人の味噌汁と胃がんの関係で、胃がん以外のがんについても、「味噌汁をよく飲む人ほど死亡率が低い」という調査結果が報告されました。また2003年に米国立がん研究所誌(電子版)に掲載された研究によれば、「乳がんを発症した人の割合は、味噌汁を1日3杯以上飲んでいた人は、1日1杯以下の人と比べて、40%低かった」というのです。さらに、「原爆被爆者の中で無症状の人たちは、普通の人より多くの味噌を日常的に使っていた」ことから、広島大学原爆放射能医学研究所伊藤明弘教授は、味噌で放射性物質による障害を抑えられるのか、実験動物のマウス(ねずみの一種)を使って実験し、消化器の細胞の回復を促進する作用があること、肝臓がんの発生が三分の一に抑えられることを明らかにしました。味噌はすごいのです。
味噌
「材料」
大豆6キロ、麹6キロ、塩3キロ
「作り方」
①大豆はゴシゴシとよく洗い、大豆の2倍から3倍量の水に一晩つけておく
②麹は塩とよく混ぜ合わせる。手のひらでもみほぐすように全体を均一にし、麹の一粒、一粒がパラパラになったらOK。
③一晩おいた豆は、いったんザル等にあけ水を切り、さらに洗い、煮豆を煮る様な感じで水を加えながら大豆が指でつぶれるくらいまで、弱火で8~10時間煮る。時々アク取りをし、吹きこぼしに注意する。(圧力鍋を使うと早い。火にかけて泡を取り除いてから、圧力鍋に蓋をして圧力をかけるようにすると、大豆のゆで汁が吹きこぼれにくい)
④大豆が煮あがったらザルにあけて、煮汁(種水)は捨てないでとって置く。種水は、あとで使う。
⑤煮あがった豆を冷めないうちにスリコギ等ですりつぶす。多少の粒が残っていてもかまわない。(ミンサー(ひき肉機)で挽く方法は簡単で便利)
⑥すりつぶした煮豆に②をムラなく混ざるように気をつけ、④の種水を足しながら粘土程度の固さになるまで混ぜ合わせる。
⑦仕込み用の桶に塩を振り、⑥はゲンコ大くらいの玉に丸めて投げ入れ、すきまのない様に隅々まで詰め込み、表面を平らにし、笹の葉を敷き詰め、ラップで覆い、押しぶたをして、重石を置く。日が当らない、温度変化の少ない涼しい場所に保管して熟成させる。(重石の目安は、仕込む重量の2~3割を目安に)
⑧3ヶ月位過ぎると、熟成が進んでくるので、この時期に天地返しか容器を移し変えて、表面を平らにして、最初と同じように、笹の葉を敷き詰め、ラップで覆い、押しぶたをして、重石を置く。この時に、カビを見つけたら取り除く。(白カビは酵母の一種の産膜性酵母。旨みなので取り除かない方が良いと言う人と、味噌の味を悪くするという人がいますが、私は臭いをかいで、いい匂いだったら取り除きません。黒カビや緑色その他の色のカビの場合は雑菌によるカビなので取り除く)
メモ
*大豆6キロ、麹6キロ、塩3キロは我が家の仕込み量。家族構成によって、その半分、あるいは、大豆1キロから作ってみてはいかがでしょうか。
*汚染のない笹の葉が手に入らないときは、そのままラップをかぶせてもよいと思います。